SolManエンジニアを探す“その前に”。 属人化しない仕組みづくり
【実施の背景】
SAP環境における運用基盤「SolMan(SAP Solution Manager)」は、高度な知識が求められる反面、扱える人材が限られており、運用が一部のエンジニアに依存しているケースが多く見られます。 担当者が退職や異動で離れると、その後の引き継ぎや復旧に膨大な工数を要する恐れも。 「SolManに詳しい人を探す」ことが目的になってしまう前に、環境全体を仕組みで守る必要がありました。

課題
- SolManの設定や運用が特定の技術者に属人化し、引き継ぎが困難
- ドキュメント未整備・操作ルールの暗黙知化により、障害発生時の対応がブラックボックス化
- エンジニア交代のたびにキャッチアップの工数とリスクが発生し、組織としての継続性が脆弱だった
解決策
業務と技術両面のナレッジドキュメント化
- SolManに関する日常業務、構成設定、運用方針を業務フローとシステム構成の両視点で棚卸し
- 「何を・どの順で・誰が見るか」を明確にし、新任者でも再現できるドキュメントへと昇華
ベンダー管理と役割分担の再設計
- パートナー企業やベンダーとの運用・保守の境界線を整理し、属人的な問合せや判断依存を排除
- インシデント対応も「誰に・何を・どう渡せばよいか」をフロー図で共有し、連携の手戻りを削減
“探さない”運用体制の内製化支援
- SolManの重要操作を数パターンに分類し、操作支援・レビュー支援・自動化可能部分に分解
- 属人化を回避しながら、情シス内で“回せる”仕組みを小規模から設計・導入
【特別な取り組み】
- ドキュメント整備と並行して現場メンバーへのOJT/マニュアル確認テストを定期実施
- 実務で必要となる知識を「思考手順」「確認項目」「トラブル時の選択肢」まで明文化
- 最終的には「SolManの担当者がいなくても、困らない」ことをゴールに据えたロードマップを提示
「誰がやるか」ではなく、「どうすれば誰でもできるか」へ。情シスBチームは、高度な技術領域でも属人化を排した再現性ある体制づくりを支援しています。“SolManが扱える人材”ではなく、“SolManを回せる現場”をつくる、それが私たちの提案です。